教室便り

          「囲碁の歴史と文化」を通じて、 囲碁がいかに深い歴史的背景を持っているかを知り、当時の社会や文化を
          垣間見ることができます。 また、《古碁名局鑑賞室》には、江戸時代の終わりに活躍した「本因坊丈和」の
          棋譜が掲載されていて、 これらを棋譜アプリで再現することで、丈和の歴史的対局を追体験できます。

   

囲碁の効能

   

<創造性>

盤上の交点ならどこに打ってもよいという、自由なルールで「かたち」を創り上げていく囲碁には、 他のゲームに無い創造性があり、丸暗記や詰め込みだけでは上達しません。 自分の頭で考え先を読むことによって、創造力が高まり、発想を豊かにします。

<医学的実証>

人間の脳は、左脳で計算・暗記・論理的思考機能を受持ち、右脳は感覚的・形や空間等の認識、 大局的視野での判断力を受持つと言われています。人間は本来、左脳右脳の両方をうまく使うことが大事ですが、 一般的には左脳人間が多いそうです。囲碁は特に右脳を使うゲームで、医学的にも右脳を刺激し、判断力を高め、 ストレス解消に効果があることが認められています。さらに、ボケ防止・脳卒中のリハビリ、予防面でも囲碁の効能が注目されています。

<コミュニケーション>

囲碁は子供からお年寄りまで誰でも生涯楽しめるので、見知らぬ人同士でも囲碁を通じて向き合えば、すぐに仲良くなれます。 そのため、現代社会で希薄になりつつある家族・師弟・先輩等との年代を越えたコミュニケーションに大変役に立ちます。 またパソコンやゲームの普及により、現実の体験を経験することが少なくなった現代では、年齢、性別を問わず、 誰とでもコミュニケーションを図れる素晴らしいツールです。

<子どもの教育>

今、クラブ活動としてだけでなく正課授業として囲碁を取り入れる学校が増えています。 囲碁は、先を読むことによって「集中力」が身につき、大局的に全体を見据えた「バランス感覚」を養うことができますし、 多くの選択肢から状況に応じた判断を必要とするため、物事の「価値判断」をする訓練になります。 また、囲碁は、相手との対戦で勝ち負けが生じます。自分の考えで打った碁の勝ち負けは自分の責任で自己反省しなければなりません。 この勝ち負けによる喜び、悲しみの葛藤が子供たちを大きく成長させます。 いつも一等賞だと思ってきた子供には辛いことですが、負けても「もう一度」と挑戦する精神力を養うチャンスでもあります。 そして、何より大事なのは、囲碁で子供同士や年代を越えた人と接することによって「人を思いやる気持ち」「感謝の心」が芽生えてくることです。

【参考資料】日本棋院  囲碁学習・普及活動(詳しくはコチラ